社内品質管理を目的とする場合は必要性は低い
計測器はずっと使い続けていくとだんだんと値がずれてしまうといった課題がありますが、こうした計測機器類の校正を行うには資格が必要なのでしょうか。この点については、社内で計測機器類を使用して業務を行っている人が、社内における品質管理を目的として校正を行う場合は特には必要ないと言われています。そのため、特別な資格を取得してずれを直すということは必要なく、社内の規定による訓練などを受けて、社内の基準に基づく調整を行うことは特に問題ないと言えます。こうした研修などを受けて、測定をしている人が調整を行うことは日常点検という点でも推奨されると言えます。
業務としての場合は必要性は高くなる
社内で計測機器類を用いている人が、計測器のずれを調整する場合には特に資格などは必要ないと考えられています。それに対して、計測器を用いて計測することを主な業務としている会社で働いているスタッフが、計測機器類の値のずれを調整するということになると、また違ったことになります。基本的に、計測を主な業務として行っている会社の場合、ずれなどの調整には資格を持つスタッフによる校正が必要とされており、専門的な知識や技能を持つスタッフによる調整は不可欠と考えられています。その理由は、こうした計量の正確性を客観的に示すことが求められており、その場合には専門の業者などに依頼して定期的に調整を行ってもらい、その調整に関する証明書などを発行してもらうことが多いのです。
取引相手にとっても安心材料になる
社内で機器類の調整を行う場合には特別な免許などは必要ではないと言えますが、計量などを業務で提供する場合にはきちんとした校正証明書を示すことは必要です。こうした調整の正確性をきちんと客観的に示すことができなければ計測の信用性という点で課題が出てくるでしょう。その会社とビジネスを行っている取引先は、客観的に正確性が示されていない計測機器によって計測された商品や製品をどこまで信頼することができるでしょうか。したがって、業務として計量の正確性が求められる場合には、その信頼性を専門機関による証明書という形で示すことができれば相手も安心できます。したがって、社内レベルで計測類の正確性を維持する上では特に特別なものは必要ないといえます。しかし、対社外での取引といった状況では、計測の信頼性を示すことは取引の相手からの信頼という点でもとても重要なポイントになっており、計測の信頼性を維持することは強く求められているでしょう。